皆さんはマーシアという人物をご存知ですか?
彼は臨床発達心理学者で、エリクソンと関係の深い人物です。
というのもマーシアは、エリクソンの発達理論を用いてアイデンティティ・ステータスというものを作りました。
アイデンティティ・ステータスを知る事で、人生をより豊かなものにする事が可能です♪
今回は、そんなマーシアのアイデンティティ・ステータスについて学習していきましょう!
目次
まずは用語の確認!!
アイデンティティ・ステータスを知る上で、アイデンティティの意味を知る必要があります!
アイデンティティ = 自分らしさ・自分らしくある事!
つまりアイデンティティが確立している人は、自分らしさを持っている事になります。
そんなアイデンティティを危機と積極的関与という言葉を使って、4つの状態に分類したのがマーシアです。
彼のいう危機と積極的関与とは、どういう意味なのでしょう?
危機
「自分らしさって何?人生をどう生きるべきか?」と悩んだり探索していく事
積極的関与
目標に向けて行動や努力する事、また社会への貢献度を表す言葉
例えば「今後の人生、どう生きていくべきか分からない‥」という人は、正に危機を経験している状態と言えます。
一方、積極的関与にある人は、目標に向けて前に踏み出せている状態と言えますね。
アイデンティティ・ステータスの中身
では実際に、アイデンティティ・ステータスの中身を見て行きましょう。
アイデンティティ・ステータス(自我同一性・地位)
①アイデンティティ達成
人生に向き合い、前向きに行動や努力ができている状態
②モラトリアム
選択肢を前にして、決定に奮闘している状態
③早期完了
自分と向き合っていないため、後々「これで良かったのか?」と後悔しがち
④アイデンティティ拡散
人生についてあきらめ気味で途方に暮れている
このようにマーシアは、エリクソンの発達理論を参考にアイデンティティを①~④に定義しました。
ちなみに「エリクソンって誰?」という人は、以下の動画をご覧ください(´▽`ノ)♪
自分のアイデンティティをチェックしよう!
皆さんが①~④のどこに属しているのか調べるには、どうすれば良いのでしょう?
ここで大切となるのが、先述した危機と積極的関与です。
以下の表をご覧ください。
つまり皆さんのアイデンティティ・ステータスを調べるなら、以下2つの質問に答えるだけでOKです。
Q1:今後の人生について試行錯誤中である?(危機)
Q2:目標に向けてアクションを起こしている or 人の役に立っていると実感が持てている?(積極的関与)
これら2つの質問にYesなら、危機と積極的関与が〇である①アイデンティティ達成と判断できます!
占い風に各ステータスをもう一度チェック!
①アイデンティティ達成
人生に向き合い、前向きに行動や努力ができている状態です。
何事もプラスに転じやすく、楽しみながら人生を歩んでいけます。
②モラトリアム
選択肢を前にして、決定に奮闘している状態です。
人生には多くの選択肢がありますが、この悩み時期を乗り越える事でアイデンティティの達成が見込めます。
明るい未来を意識して、積極的に問題にぶち当たって行きましょう。
③早期完了
二代目・三代目という理由で、親の仕事を何とな~く引き受けてしまった人は要注意。
自分の生き方に疑問を抱かなかった人は、後に人生を後悔する傾向にあります。
「俺・私の人生ってコレで良かったの?」
そんな後悔をしないためにも、自分の生き方に向き合う姿勢が大切です。
④アイデンティティ拡散
アイデンティティの拡散状態は誰にでも起こりえる事です。
特に身近な人との突然の死別や、災害での精神的ショックが大きい場合は、誰にでもこの状態は起こりえます。
そんな時は、誰でも構いません。
身近な人に相談してみましょう。
ちょっとした心の安らぎが、アイデンティティ拡散からの脱出に繋がります!
過去問にチャレンジ!
<H28 前期 保育の心理学 問14>
次の説明文の( )に当てはまる語句を選びなさい。
アイデンティティの実証研究は、マーシア(Marcia, J.E.)によって大きく進展した。
彼はエリクソンの概念である( 葛藤 / 危機 )と積極的関与を用いて、
4つのアイデンティティの状態を定義し、
( ジェンダー・アイデンティティ / アイデンティティ・ステータス )と呼んだ。
この発達を検討した縦断的研究によれば、青年期前期から後期にかけて
( 達成 / 拡散 )状態になることが多くなる一方で、
成人期になってから再び( 達成 / 拡散 )状態へと戻ることもある。
~ 答え ~
<H28 前期 保育の心理学 問14>
次の説明文の( )に当てはまる語句を選びなさい。
アイデンティティの実証研究は、マーシア(Marcia, J.E.)によって大きく進展した。
彼はエリクソンの概念である( 葛藤 / 危機 )と積極的関与を用いて、
4つのアイデンティティの状態を定義し、
( ジェンダー・アイデンティティ / アイデンティティ・ステータス )と呼んだ。
この発達を検討した縦断的研究によれば、青年期前期から後期にかけて
( 達成 / 拡散 )状態になることが多くなる一方で、
成人期になってから再び( 達成 / 拡散 )状態へと戻ることもある。
一見難しそうに見えますが、前半の2つの答えが分かっていれば、自ずと正解が導ける形式となっていました♪
とにかくマーシアのアイデンティティ・ステータスは、自身の今後を見据える上で大切となります。
「人生って何だろう?」と思った時は、ぜひマーシアのアイデンティティ・ステータスを参考に、今後の人生設計を立て直してみてください★
本日も最後まで記事を読んで頂き、ありがとうございました(*´з`)ノ